オゾン分解は、アルケンをカルボニル化合物(アルデヒド/ケトン)に変換するのに有用な反応です。
二重結合を酸化反応により開裂させるため、オゾン分解は酸化的開裂反応のひとつです。
酸化的開裂反応はオゾン分解の他に、過マンガン酸カリウムによる酸化、マラプラード グリコール酸化開裂反応(HIO4による1, 2-グリコールの開裂)などが挙げられます。
生成物は簡単で、アルケンの二重結合のところをぶったぎって、両方にOをつけるだけです。
ここで、R1, R2 (R3, R4) のどちらか、または両方が水素であるときアルデヒドとなり、それ以外ではケトンとなります。
反応機構(あまり重要ではないです)
① オゾニドの生成
- 負電荷をもつOが求核剤、電荷をもたないOが求電子剤として働き、電荷を解消するように動くことで、モルオゾニドが生成する
- 不安定なO-O結合を2つも持つために、モルオゾニドはとても不安定で、それを解消するため転移する
- 再び電荷を解消するように動くと、O-O結合を1つ持つオゾニドが生成する
オゾニドはO-O結合が1つですが、大して安定ではなく、爆発性もあるために、ドライアイスを用いて-78 ℃で実験を行います。
② ジメチルスルフィド[(CH3)2S]の反応
- (CH3)2SのS原子が、オゾニドのO-O結合の片方に求電子攻撃し、一つ目のカルボニル化合物ができる
- 残った双性イオンで、硫黄が酸素を持っていくことで、二つ目のカルボニル化合物が生成
反応について
環内に二重結合がある場合
環内に二重結合がある場合でも、オゾン分解することができます。
例えば、1-メチル-1-シクロヘキセンの場合を見てみましょう。
二重結合をぶったぎって、酸素をつけると…
このように、分子内にカルボニル基を2つ持つ化合物ができます。
まとめ
- オゾン分解は、アルケンからカルボニル化合物を生成する反応
- 生成するカルボニル化合物は二重結合を切って酸素を付けた分子
- 環内に二重結合をもつ場合、分子内にカルボニル基を2つもつ化合物ができる
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